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<現代人に喝っ!>ハードな修行ができる宿坊/寺社ランキング

2017年6月29日

修行したいって思ったこと、ないでしょうか。

人生の節目で迷っているとき。
だらしない自分に活をいれたいとき。
ベスト・キッドを15年ぶりに観たとき。

余談ですが、筆者は大学生の時に、お坊さんの資格をとるために本山で修行しました。
髪を0.5ミリに切りそろえて朝4時から井戸水かぶったり、何時間も正座したり。
上京まもなく「東京たのしーーーッす」とアタマ花畑状態だった私には拷問同然でしたが、終わった後は顔つきが穏やかになったと評判でしたし(2か月くらい)、就活でエントリーシートのいいネタになりました。

なお、浄土系は修行がかなりライトなこともあり、坊主トークの際に
「浄土って修行期間どれくらい?あ、2週間くらい。へえェー。うち1年。」
みたいな謎のマウンティングを仕掛けてくる禅宗系の人が稀にいるので気を付けましょう。

 

実は、一般の方でも心身の鍛錬のために修行ができるところがあるのです。

そんなわけで今回は、気を引き締めていくべき修行が体験できる宿坊/お寺をランキング形式で紹介いたします!
*完全に筆者の主観です。

目次

  • 5位 駒鳥山荘(東京御岳山) ~迷いと涙を激流で流す「滝行」~
  • 4位 比叡山延暦寺(滋賀大津) ~人間を超えるはじめの一歩「一日回峰行」~
  • 3位 大本山永平寺(福井)~たるんだ性根を叩き直す「参禅」~
  • 2位 静山荘(東京御岳山)~砕けず、折れず、朽ちない身体をつくる「滝行断食」~
  • 1位 成田山新勝寺(千葉成田) ~退かず、媚びず、省みない心を養う「断食参籠」~

 

5位 駒鳥山荘(東京御岳山) ~迷いと涙を激流で流す「滝行」~

新宿からJR中央線、青梅線、ケーブルカーを乗り継いで2時間弱。「東京のお山」といわれる御岳山にある宿坊街にある駒鳥山荘。

江戸時代の創業で400年近い歴史を持つこちらの宿坊では、「先祖はたぶん山伏」だという御師(おし。神職のこと)の馬場さんが「滝行」を指導してくれます。

宿泊の翌朝に、拝礼、体操、雄健(大きな声をだすこと)、深呼吸、滝浴びの順で行われます。御岳山の滝は日本でも有数の冷たさで、夏でも強烈に心身を清められます。さっきまでの迷いなど、どこかに吹き飛ぶでしょう。

 

4位 比叡山延暦寺 (滋賀大津) ~人間を超えるはじめの一歩「一日回峰行」~

天台宗の総本山、延暦寺。伝説の修行、千日回峰行を一泊二日で体験する「一日回峰行」に参加することができます(日程等は
こちらでご確認ください)。
約7時間、山を巡拝します。尚、17時に寝て2時半に起床だそうです。局アナか。

 

3位 永平寺 (福井永平寺)~たるんだ性根を叩き直す「参禅」~

言わずと知れた禅修行の最高峰、曹洞宗の大本山です。他宗の坊主たちですら、「あそこでの修行に耐える自信無い…」と言う永平寺。

ここでは雲水と呼ばれる修行僧の日々の修行生活を一泊二日で一部体験する「参籠(さんろう)」と、三泊四日で修行僧と同じ修行を体験する「参禅(さんぜん)」があります。

季節によって若干違いますが、私は朝3時ちょいに鈴の音で起こされました。食事中の私語は厳禁です。風呂にシャンプーもましてやドライヤーもありません。だって、修行ですから。
終わるころには、背筋がピシッと伸びることでしょう。

ネットでの申し込みなどありません。電話とFAXで予約のやりとりをします。

 

2位 静山荘(東京御岳山)
 ~砕けず、折れず、朽ちない身体をつくる「滝行断食」~

駒鳥山荘と同じく御岳山の宿坊街にある静山荘では、数多くの修行が体験できます。

滝行:片道30分以上かけて、歩いて滝まで向かいます。滝の水は果てしなく冷たいです。というか痛いです。でも、スッキリします。生命の危険を感じた脳が、体の機能を活性化させてくれるのだそうです。
山中瞑想:山の上から、下から両方のエネルギーの交わる場所である山頂で瞑想することにより、そのパワーをとりこみ、腹に集めることをイメージするのだそうです。ドラゴンボールの世界です。
呼吸法:腹式呼吸を教えてくれます。吐く息に意識を集中します。冷え性や便秘が治った人もいるそうです。神秘です。

が、中でも是非体験していただきたいのが、「滝行断食」です。
二泊三日で、滝行を含みます。終わって帰ってくるころには、生きてるだけでありがたいと思えるレベルだそうです。ラオウにも負けない健康的な身体に近づけるでしょう。

この他にも、運命鑑定や、「人間本来のチャクラを開花させる」クリスタルボウルを使ったヒーリング、「天の声をイメージした音色」を奏でる雅楽器の笙(しょう)の生演奏なども行っています。

 

1位 成田山新勝寺(千葉成田)~退かず、媚びず、省みない心を養う「断食参籠」~

初詣で有名な新勝寺。実は真言宗智山派の大本山の一つで、過酷な断食修行ができるお寺なのです。
「お不動さまの御加護のもと、不動の信念と心身の鍛練を体得すること」を目的として、二宮尊徳翁、歴代市川團十郎など多数の著名人が実施した「断食参籠」
野菜スープなどをふるまうソフトな断食修行が多いなか、ここでは水しか飲めません。
2泊3日~6泊7日まで選べる(成田山での修行の経験がない方は2泊3日~4泊5日まで)ようです。2日目後半あたりから強烈にキツくなると評判です。指定病院での診断書も必要なので、心して臨みましょう。

そのほかにも、以下のような修行が体験できます。

火渡り修行:正式名称、開運厄除 柴灯大護摩供 護摩木祈願 火渡り修行(かいうんやくよけ さいとうおおごまく ごまぎきがん ひわたりしゅぎょう)。ひらがなにすると初期ドラクエの復活の呪文ばりです。
日程は不定期なので、直接確認しましょう。
密教座禅:数息観(すそくかん)と呼ばれる真言密教の瞑想法です。公式HPによると、「坐禅を組んで、全身の細胞から不浄の気を絞り出し、呼吸だけに専念し、雑念を払い、気持ちを落ち着かせる修行で、お不動さまのような揺るぎない心を養います」とのこと。ブレたくない人、必見です。

詳細はこちら

断食参籠
  
火渡り修行

  

<番外編 殿堂入り>

一日回峰行の元になっている千日回峰行は、比叡山で行う千日回峰行と、奈良吉野の金峯山寺で行う大峯千日回峰行の二種類あるようです。どちらも大山倍達も怯むのではという過酷さで、後者は過去1300年で二人しか達成していないという荒行です。二人目の達成者である塩沼亮潤氏は各メディアでも取り上げられて話題になっていましたね。

ちなみに、比叡山の千日回峰行のスケジュールは以下。挑戦したい方は、まず出家しましょう。

1~3年目:毎日30キロを100日間
4~5年目:毎日30キロを200日間
9日間の断食・断水・不眠・不臥(食べない、飲まない、寝ない、横にならない)
6年目:毎日60キロを100日間
7年目:毎日30~84キロを200日間

達成すれば、人ならざる人になれること請け合いです!

 

 

自分の経験からも、ツラい修行ほど強烈に記憶に残りますし、「あのツラさに比べたら、今のこの辛さなんて大したことないよね」という気持ちになれて色々頑張れます。
少しでも興味のある方は、つべこべ言わずに一度試してみることをおすすめします。
危険すぎてここには出せない場所もあるので、気になる方はお気軽に連絡くださいね!

ライター情報

MBAアントレ坊主 

MBAアントレ坊主 

漫画、麻雀、ゲームを愛する一方、絶望的な写真のセンスの無さに苦悶中の、浄土宗某寺副住職。金融機関の本店、シンガポール拠点での勤務、パリ郊外の経営大学院でのMBA取得を経て、ENYSiの創業に参画。

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余談ですが、筆者は大学生の時に、お坊さんの資格をとるために本山で修行しました。
髪を0.5ミリに切りそろえて朝4時から井戸水かぶったり、何時間も正座したり。
上京まもなく「東京たのしーーーッす」とアタマ花畑状態だった私には拷問同然でしたが、終わった後は顔つきが穏やかになったと評判でしたし(2か月くらい)、就活でエントリーシートのいいネタになりました。

なお、浄土系は修行がかなりライトなこともあり、坊主トークの際に
「浄土って修行期間どれくらい?あ、2週間くらい。へえェー。うち1年。」
みたいな謎のマウンティングを仕掛けてくる禅宗系の人が稀にいるので気を付けましょう。

 

実は、一般の方でも心身の鍛錬のために修行ができるところがあるのです。

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2017.06.29