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「京の粋」をお酒で体感するー増田德兵衞商店 「月の桂」蔵見学ー

2017年7月8日

酒ひとすじ300年、歴史が生み出す京都の名酒を訪ねる。

「京の粋」をお酒で体感
ー増田德兵衞商店「月の桂」蔵見学ー

こんにちは。
ENYSiの「日本酒」番長、MIKAです。

今回は京都 伏見でも古いと言われている、「月の桂」で有名な増田德兵衞商店さんの酒蔵見学レポートをお届けいたします。

※通常は衛生管理の都合上、一般のお客様の蔵見学および試飲は実施しておりません。ご了承ください。
画像の説明を入れてください

増田德兵衞商店さんは京都で最も歴史ある蔵元でありながら、常に幅広い世界観を以て革新し続ける。京都のみならず日本を代表する蔵元です。
京都の中でも敷居の高いイメージがある蔵元さんだけに、やや緊張しながらの見学スタートです。

目次

  • ・酒ひとすじ300余年、歴史が生み出す名酒
  • ・伝統の香り漂う蔵を見学
  • ・これを飲んでほしい!日本酒マニアが選んだおすすめ3選
  • ・隅々に光る「京の粋」を感じる社長のお話
  • ・京都市内で「月の桂」が買える・飲めるお店 販売店

1. 酒ひとすじ300余年、歴史が生み出す名酒

増田德兵衞商店さんは、300年以上の古い歴史がある名門蔵。
「この建物は前の戦争後の建物ですから…」とご説明下さる、十四代 増田德兵衞社長。

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社長のおっしゃる「前の戦争」とは1868年の「鳥羽・伏見の戦い」のこと(第二次世界大戦のことかな、と思った私はエセ京都人)。つまり、こちらの建物は築約150年。
酒処として有名な伏見の中でも、唯一先代からずっと酒造りをされているのがこちらの蔵。「酒づくり」をただひたすらに、現在まで引き継いでいらっしゃるその重みが感じられます。

中心にあるおくどさん(かまど)が、この空間を引き立たせています。

中心にあるおくどさん(かまど)が、この空間を引き立たせています。

「月の桂」といえば有名なのが“スパークリングにごり酒”。
手前のボトルがにごり酒

先代が「どぶろく」を現代に復活させるため税務署と戦い、なんと酒税法を書き換えさせた、という逸話を社長からお伺いしました。今では大人気のにごり酒も、先代の努力と熱意が無ければ存在していなかったのかもしれません。にごり酒無しでは人生の楽しさ二割減のわたし、先代に大いに感謝です。

2. 伝統の香り漂う蔵を見学

ひっそりと並ぶタンクたち

ひっそりと並ぶタンクたち

この時期は酒造りも終わり、蔵の中は整えられひっそりとしています。もろみの良い香りが少しだけ蔵に残っていました。

蔵内にはかならず神棚があります。

蔵内にはかならず神棚があります。

この大きな和釜の甑(こしき)はまだまだ現役で活躍中。今は多くの蔵で飾りとなってしまった煙突も、ここではまだ活きています。


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こちらは、宝の山!「純米大吟醸古酒」。

増田德兵衞商店さんは、「にごり酒」だけでなく「古酒」の元祖蔵元でもあります。奥までずらっと積み重ねられた古酒の磁器甕。お金に換算したら一体いくらくらいになるのでしょうか…。

3. これを飲んでほしい!日本酒マニアが選んだおすすめ3選


いよいよ試飲タイム。ここからはMIKAが個人的に選んだおすすめ3選をご紹介いたします。

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1. 京都・祝米純米大吟醸にごり酒 720ml

「月の桂」の代名詞でもあるにごり酒。こちらは地元伏見の契約農家で育てられた、無農薬栽培の京都産「祝米」を使った純米大吟醸のにごり酒です。米の旨味が口のなかでプチプチと弾け膨らんでいきます。

2. 純米吟醸「柳」 720ml

New Yorkの4星レストラン、独ルフトハンザ航空でも提供されている純米吟醸酒。まろやかで品のある味わい。香り高く余韻が楽しめるお酒なので、ぜひワイングラスで楽しんで欲しいです。

3. 抱腹絶倒 500 ml

驚くような軽い飲み心地。透明感のあるワインみたい。
社長みずから「クラッシュアイス入れて飲むと美味しいですよ!」と入れてくださいました。ゴクゴク飲める、危険な甘さと爽やかな酸味。夏はライムを絞るとカクテルにできそう。

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4. 隅々に光る「京の粋」を感じる社長のお話


素敵すぎる…

増田德兵衞商店のデザイン、プロデュースを手掛けているのは社長のご友人である北川一成氏。なんとDiscover Japanの新創刊号に一緒にご登場。


一流のおもてなし
先日京都で開催された、ルイ・ヴィトンのアフターパーティでも「月の桂」が提供されました。社長が見せてくださった豪華なノベルティ。「留威美東(ルイビトン)って四つ角に入ってるんだよ。」と広げて見せてくださった山本寛斎デザインの風呂敷。
キラキラしてますね。

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お土産は蔵限定、洗練されたデザインのフェイスパック。2個入りなので、お友達と分けても良いですね。


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どこから撮っても絵になる、ダンディな増田德兵衞社長にすっかり魅了され、ますます「月の桂」と社長へのLOVE度が増した一日でした。

最後に

増田德兵衞商店さんのお酒たちは、今時のわかりやすい一口であっさり「美味しい!」とはいかないかもしれません。じわりじわりとその旨味が分かるには年月がかかるかもしれない。だからこそ、この美味しさと粋を理解したいと恋い焦がれるような気持ちになりました。
酒蔵見学をすると、お酒の味の中に、その造り手や歴史が見えるようになります。お酒を「立体的」に感じられる、それこそが酒蔵見学の醍醐味なのかもしれません。

京都土産にもおススメ!!!

京都駅周辺で「月の桂」が買えるお店

1. ジェイアール京都伊勢丹 B1F 和洋酒・フーズギフト・洋特選コーナー
2. 京の地酒・京旬味 富屋 The CUBE店
3. 風土食品 | 京都駅前地下街 -ポルタ-
4. 浅野日本酒店 KYOTO 京都店

ライター情報

MIKA

MIKA

都内某音楽大学出身。海外留学、専業主婦、法律事務所、外資系消費財メーカーを経て、単身、地方移住を実行、京都にてENYSi参画。 趣味:日本酒、特技:日本酒、好きな言葉:酒。好きな男性のタイプはキレイに&スマートに酒を飲めるひと。

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2017.06.29